ねこらぼノート

Practice and Theory of Thinking for Business, Science and Life

区間推定とは

区間推定の構造について説明し、区間推定の種類を一覧表に整理する。

目次

区間推定の構造

母集団から複数の標本を抽出したときの標本分布を考える。標本分布を考えた時に $1 - \alpha$ の面積を与える幅を元に、区間で母数を推定する。

以降では、よく登場する区間推定を表で記載する。大きくは1つの母集団から標本抽出する場合と2つの母集団から標本抽出する場合に分けられる。

1つの母集団から標本抽出した場合の区間推定

パターン 母集団分布 母数 標本分布
1 正規分布 母平均 正規分布・t分布
2 正規分布 母分散 カイ二乗分布
3 二項分布 母成功率 正規分布
4 ポアソン分布 母平均 正規分布
5 二次元正規分布 母相関係数 フィッシャーのz変換後、正規分布

母平均の区間推定

パターン 母集団分布 分散 サンプル数 標準化した推定量とその標本分布
1 正規分布 既知 大きい $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{\sigma/\sqrt{n}} \sim N(0, 1)$
2 正規分布 既知 小さい $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{\sigma/\sqrt{n}} \sim N(0, 1)$
3 正規分布 未知 大きい $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{s/\sqrt{n}} \approx N(0, 1)$
4 正規分布 未知 小さい $\frac{\bar{X} - \mu}{s/\sqrt{n}} \sim t(n-1)$
5 非正規分布 既知 大きい $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{\sigma/\sqrt{n}} \approx N(0, 1)$
6 非正規分布 既知 小さい 推定不可
7 非正規分布 未知 大きい $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{s/\sqrt{n}} \approx N(0, 1)$
8 非正規分布 未知 小さい 推定不可

この表は、統計学入門, 蓑谷千凰彦, 東京図書から引用した。

二項分布、ポアソン分布はパターン5として考える。

母分散の区間推定

パターン 母集団分布 標準化した推定量とその標本分布
1 正規分布 $(n-1)s^{2}/\sigma^{2} \sim \chi^{2}(n-1)$
2 非正規分布 推定不可(?)

母相関係数の区間推定

パターン 母集団分布 サンプル数 標準化した推定量とその標本分布
1 2次元正規分布 大きい $\sqrt{n-3} (z - \eta) \approx N(0,1)$ $z = \frac{1}{2}\log{\frac{1+r}{1-r}}$ $\eta = \frac{1}{2}\log{\frac{1+\rho}{1-\rho}}$

母相関係数の区間推定におけるパターン1の近似法は、フィッシャーのz変換と呼ばれる。

2つの母集団からそれぞれ標本抽出した場合の区間推定

パターン 母集団分布1 母集団分布2 母数 標本分布
1 正規分布 正規分布 母平均の差 t分布
2 正規分布 正規分布 母分散の比 F分布

母平均の差の区間推定

パターン 母集団分布1 母集団分布2 母分散 標準化した推定量とその標本分布
1 正規分布 正規分布 既知 $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{\sqrt{(\sigma_{1}^{2}/m) + (\sigma_{2}^{2}/n)}} \sim N(0,1)$
2 正規分布 正規分布 未知(母分散が等しい) $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{s\sqrt{\frac{1}{m} + \frac{1}{n}}} \sim t(m+n-2)$
3 正規分布 正規分布 未知(母分散が等しくない) $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{\sqrt{\frac{s_{1}^{2}}{m} + \frac{s_{2}^{2}}{n}}} \approx t(\nu^{*})$ $\nu^{*}$ は $\nu$ に最も近い整数。 $\nu = \frac{\left( \frac{s_{1}^{2}}{m} + \frac{s_{2}^{2}}{n} \right)^{2}}{\frac{(s_{1}^{2}/m)^{2}}{m-1} + \frac{(s_{2}^{2}/n)^{2}}{n-1}}$

母平均の差の区間推定におけるパターン3の近似法は、ウェルチの近似法と呼ばれる。

母分散の比の区間推定

パターン 母集団分布1 母集団分布2 母分散 標準化した推定量とその標本分布
1 正規分布 正規分布 既知 $\frac{s_{1}^{2}}{s_{2}^{2}} \cdot \frac{\sigma_{2}^{2}}{\sigma_{1}^{2}} \sim F(m-1,n-1)$

まとめ

区間推定の構造について説明し、区間推定の種類を一覧表に整理した。まだ抜け漏れがあるので、いずれ埋めたい。また、点推定で議論した推定方法・推定量の評価基準について、同じように区間推定でもあるものと考えていたが、同様の議論は見られなかった。この点についてもいずれ考察したい。

参考文献

  1. 統計学入門, 東京大学教養学部統計学教室 編, 東京大学出版会
  2. 統計学入門, 蓑谷千凰彦, 東京図書
  3. これからはじめる統計学, 蓑谷千凰彦, 東京図書

統計学入門 (基礎統計学?)

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統計学入門

統計学入門

これからはじめる統計学

これからはじめる統計学

参考記事

推測について書いた記事も参考にしてください。 note.nekolabs.net