ねこらぼノート

Practice and Theory of Thinking for Business, Science and Life

仮説検定とは

仮説検定の構造について説明し、さまざまな仮説検定を一覧表に整理する。

目次

仮説検定の構造

  1. 母数について仮説を立てる(帰無仮説と言う)
  2. 仮説の母数のもとでの標本分布を考える
  3. p値で検定する場合、一定の確率以下もしくは超えているかどうかで判断する
  4. 推定量で検定する場合、一定の確率における推定量を計算してその内外で判断する

仮説検定の一覧

母数 標本分布
母平均 正規分布・t分布
母分散 $\chi^{2}$ 分布
母平均の差 t分布
母分散の比 F分布

母平均の仮説検定

帰無仮説 対立仮説 母集団分布 母分散 標準化推定量と標本分布
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 正規分布 既知 $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{\sigma/\sqrt{n}} \sim N(0, 1)$
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 正規分布 未知 $\frac{\bar{X} - \mu}{s/\sqrt{n}} \sim t(n-1)$
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 非正規分布 既知(サンプル数が大きい) $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{\sigma/\sqrt{n}} \approx N(0, 1)$
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 非正規分布 既知(サンプル数が小さい) 推定不可
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 非正規分布 未知(サンプル数が大きい) $Z=\frac{\bar{X} - \mu}{s/\sqrt{n}} \approx N(0, 1)$
$\mu = \mu_0$ $\mu \ne \mu_0$ 非正規分布 未知(サンプル数が小さい) 推定不可

母分散の仮説検定

帰無仮説 対立仮説 母集団分布 標準化推定量と標本分布
$\sigma^{2} = \sigma_{0}^{2}$ $\sigma^{2} \ne \sigma_{0}^{2}$ 正規分布 $(n-1)s^{2}/\sigma_{0}^{2} \sim \chi^{2}(n-1)$
$\sigma^{2} = \sigma_{0}^{2}$ $\sigma^{2} \ne \sigma_{0}^{2}$ 非正規分布 推定不可(?)

母平均の差の仮説検定

帰無仮説 対立仮説 母集団分布1 母集団分布2 母分散 標準化推定量と標本分布
$\mu_{1} = \mu_{2}$ $\mu_{1} \ne \mu_{2}$ 正規分布 正規分布 既知 $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{\sqrt{(\sigma_{1}^{2}/m) + (\sigma_{2}^{2}/n)}} \sim N(0,1)$
$\mu_{1} = \mu_{2}$ $\mu_{1} \ne \mu_{2}$ 正規分布 正規分布 未知(母分散が等しい) $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{s\sqrt{\frac{1}{m} + \frac{1}{n}}} \sim t(m+n-2)$
$\mu_{1} = \mu_{2}$ $\mu_{1} \ne \mu_{2}$ 正規分布 正規分布 未知(母分散が等しくない) $\frac{(\bar{X} - \bar{Y}) - (\mu_{1} - \mu_{2})}{\sqrt{\frac{s_{1}^{2}}{m} + \frac{s_{2}^{2}}{n}}} \approx t(\nu^{*})$ $\nu^{*}$ は $\nu$ に最も近い整数。 $\nu = \frac{\left( \frac{s_{1}^{2}}{m} + \frac{s_{2}^{2}}{n} \right)^{2}}{\frac{(s_{1}^{2}/m)^{2}}{m-1} + \frac{(s_{2}^{2}/n)^{2}}{n-1}}$

母分散の比の仮説検定

帰無仮説 対立仮説 母集団分布1 母集団分布2 標準化推定量と標本分布
$\sigma_{1}^{2} = \sigma_{2}^{2}$ $\sigma_{1}^{2} \ne \sigma_{2}^{2}$ 正規分布 正規分布 $\frac{s_{1}^{2}}{s_{2}^{2}} \cdot \frac{\sigma_{2}^{2}}{\sigma_{1}^{2}} \sim F(m-1,n-1)$

いろいろなカイ二乗検定

名称 帰無仮説 対立仮説 標準化推定量と標本分布
適合度の検定 $E_{i} = O_{i} (i = 1,2, \cdots ,k)$ $E_{j} \ne O_{j}$ $\sum{{ O_{i} - E_{i} }^2/E_{i}} \approx \chi^{2}(k-1)$
独立性の検定 $E_{ij} = O_{ij} (i = 1,2, \cdots ,r; j = 1,2, \cdots ,c)$ $E_{mn} \ne O_{mn}$ $\sum\sum{{ O_{ij} - E_{ij} }^2/E_{ij}} \approx \chi^{2}( (r-1)(c-1) )$

適合度の検定、独立性の検定ともに、帰無仮説はばらつきがないこと(分散0)を仮定している。対立仮説は分散>0を意味しているため、片側検定となる。

まとめ

仮説検定の構造について説明し、仮説検定の種類を一覧表に整理した。

今後の宿題

  • 検出力(検定力)について記述したい。
  • 適合度の検定などは他の方法もあるみたいなので調査したい。
  • 仮説検定の構造はもう少しわかりやすく整理できそうな気がする。
  • 区間推定との対応関係について言及したい。

参考文献

  1. 統計学入門, 東京大学教養学部統計学教室 編, 東京大学出版会
  2. 統計学入門, 蓑谷千凰彦, 東京図書
  3. これからはじめる統計学, 蓑谷千凰彦, 東京図書

統計学入門 (基礎統計学?)

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統計学入門

統計学入門

これからはじめる統計学

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参考記事

推測について書いた記事も参考にしてください。 note.nekolabs.net

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